マンガなどでよく見るウォード錠の宝箱は簡単に開けられちゃうかも

takara_bakoカギにもいろいろな種類がありますが、たとえばロールプレイングゲームなどで登場する宝箱にかけられている西洋風のカギと錠前は、いわゆる「ウォード錠」と呼ばれるものです。

ウォード錠の歴史は古く、原型は古代ローマであったともいわれます。構造はいたって単純であり、シリンダーを回転させるために差し込んだカギに対して、錠前内部にウォードと呼ばれる障害物を設置しておくことで、特定の形状(固有のウォードを回避して回転できる形状)をもったカギだけが回転できるようになっているというものです。
いたって単純な構造であるところのウォード錠は、まさにカギの原型とも言えるものであり、その見た目はカギのアイコンとして広く一般に認知されています。

しかし、カギ本来の機能であるセキュリティーという側面で考えた場合、ウォード錠は決して高性能とは言えません。特に単純なものについていえば、適当な道具があれば簡単に解錠できてしまうことや、合い鍵を作成することが容易いこともありますし、さらにカギ違いが少ないことで同じカギが別のウォード錠が開けてしまうこともあるというのも問題となるでしょう。
このように、現代のカギと比較した場合、セキュリティーとしてはあまり機能していないウォード錠ですが、時代の移り変わりとともに、防犯のためのツールとしてではなく美術品としての価値を重要視されるようになってきました。

ウォード錠は合い鍵を簡単に作られてしまうという特徴がありますが、オリジナルのウォード錠の形状、すなわち錠前内部の障害物(ウォード)を複雑化することで、容易に複製品を作れないようにすることもできます。
カギとしての機能を保ちつつ、耐久性能をある程度残したうえで、大型化しない程度に形状を複雑化するというのは自ずと限界があるのですが、そうした試みがなされた過去のウォード錠は、まさに優れた芸術品の粋に達した美しさを持っていると言えるでしょう。